息子が4歳の頃、色覚異常(1型2色覚)であることがわかりました。
色覚異常自体は男性は20人に1人と珍しくはないのですが、『1型2色覚』は日本人男性の1%。
周りでは全然聞きません。
息子の病気のことなので記事にするか長いこと悩みましたが、自分の中で情報の整理と今後のサポートのために残していくことにします。
色覚異常とは
詳しいことは専門のサイトなどが解説してくださっているので、ここではごく簡潔に。
私たちが色を認識するとき、目の「視細胞」が赤・緑・青のそれぞれの刺激の強さを感じとり色を識別しています。
視細胞は赤の刺激に敏感なタイプや、緑のタイプ、青のタイプとあり、その3つの内どれかが少なかったり欠けていると、他の多くの人と見え方が異なる状態になります。
これを「色覚異常」といいます。
色覚異常は、3種類の視細胞の
- どれかが欠けている「2色覚」
- どれかの機能が少し弱い「異常3色覚」
があって息子は「2色覚」です。
さらに詳しくすると、「1型2色覚」で「赤」の視細胞が欠けている状態でした。
1型2色覚:息子の見え方
「色覚の多様性と色覚バリアフリーなプレゼンテーション」の図を引用させていただくと、まんなかの第一色盲が息子の見え方のようです。
られといっても私は息子の世界を正確には見られないので、だいたいこんな感じなんだなと捉えることにしています。
息子の色覚異常を疑ったきっかけ
まず、3歳になるまでは色覚のことで違和感は全くなかったんです。
1歳頃からは型はめパズルやスロープ系おもちゃでよく遊んでいたけど、どれも色ではなく形を頼りにするものだったので問題なく楽しんでいました。
2歳以降は指先の運動を重視したおもちゃを用意していたので、そもそも色は大事な要素ではなかったので気づきもしませんでした。
実はモンテッソーリには『色板』という、色の違いや明度の変化を認識する教具があります。
こちらをやっていればもっと早く気づいたかもしれませんが。
3歳6ヶ月:青と紫
きっかけは「片づけ」でした。
遊んだあとは片づけをしようね、というのを教えているところでした。
このブロックの片づけのとき、ブロックを持った息子の手は左右にいったりきたり…迷っているようでなかなか進みませんでした。
下段を並べればあとはそれに沿って上段を仕上げてくれるだろうと思っていたけど、後から動画を見るとほとんど私が手を伸ばして「〇色はここだね」とか言いながら整理しています。
紫を持って青のところに置いています。
今考えれば、「青」と「紫」は2色覚が混同する代表的なパターンなので息子が迷うのも当然です。
どうやらこんな風に見えていたもよう。。。
☝あくまでシミュレーターを使ったもので正確ではないかもしれません。異常3色覚なら全然かわってきます。
ただ当時は、「この年齢だとまだ難しいのかな?」ぐらいに思い、
このおもちゃに関してはしばらく私が片づけるようになりました。
(私はどうしても虹色の順番で並べたくなってしまうので )
4歳8ヶ月:赤と緑
これは見え方が違うぞと気づいた瞬間はよく覚えています。
6色のカップがそれぞれグラデーションのようにして重なっているおもちゃを片づけていたときです。
「同じ色のグループで重ねていこうね」と伝えたところ、
赤と緑、紫と青が混ざってしまいました。
「え…こんなに明らかに違う色を同じに!?」とかなり衝撃でした。
青と紫はまだわかります。
でも赤と緑は補色の関係で、正反対の色と美術で習った。
お互いが目立って見えるはずなのに、馴染んでみえるということ?
やんわりと夫が指摘すると、あまり腑に落ちない顔で苦い顔をしていた息子。
この時に色の見え方が違うことをほぼ確信して、眼科を予約しました。
4歳7ヶ月:赤と黒
塗り絵をしていたときのこと。
ピカチュウの耳の「黒」と(はみ出てるけど)頬の「赤」としっぽの「茶」をすべて同じ「赤」で塗っていました。
このときから、黒と赤の区別がつかない=1型2色覚かもしれないと夫婦で予想していました。(のちに実際そう診断されたのですが)
夫が「もしかしたらお耳、この黒かも?」と伝えると「ああ、そっかそっか~!」すぐに黒で塗りなおす息子。
なにもフォローできずその姿に胸が痛みました。
絵なんだから自由に好きな色で塗ったらいい、という気持ちと
でもキャラクター塗り絵のようなときは色が違うと誰かにバカにされたりするんじゃないか…
親としてどこまで色の指摘をするべきか。
息子が自信をなくさないように伝えるために、ちゃんと勉強しないとと思いました。
塗り絵のときはお手本を横に置きたがるので、いつも横にiPadかテレビに映しています。
このときは、「オレンジ」は「緑」と似た色、「茶」はオレンジよりは濃いので「深緑」と認識していたのかな。
息子の見え方をシミュレーション
このあたりで息子の眼科での2回の診察を経て「色覚異常の中等度以上」であると言われました。
そして5歳になって、大きな病院の色覚外来に繋いでもらい再度検査をしたところ「1型2色覚」とわかりました。
色覚異常を専門に研究・発表しておられる先生に診ていただけたのでこれで確定だと思います。
とにかくまずは息子がどう見えているのか知りたくて、
シミュレーションアプリで部屋の中や持ち物をうつしてみました。
我が家の子供部屋はこんな感じで、かなりカラフルです。
1型2色覚の息子は下のように見えるそうです。
全体的にセピアのように褪せていて、その中で黄色と青が目立ってわかりやすいように思えます。
初めて見たときはあまりの違いに正直とても衝撃的でした。
が、息子はこの視界が当たり前で、この世界は多数派の3色覚向けにつくられているだけ。
だって自覚がなく生活している人もたくさんいるんだから。
今はそう考えられるようになってきています。
この記事では、あくまで息子の色覚異常の型と、
眼科にかかるまでの経緯を記録するため淡々と綴りました。
ただ、親としての気持ちや戸惑いは当然ながらあったので、下の記事にわけて書きました。
(当事者の方が読むと気分を害される可能性がありますのでご注意ください…)
あとは、
- どの色同士が見分けにくいのか
- それによってどんなシーンで困りそうか
- 今の段階で息子にどこまで症状について話すか
- 色の指摘はしていくべきか
- 職業的な選択肢やできるサポート
このあたり、外来で聞いたことはまた別の記事に残していきます。